第三章 文化祭は脚本バトル

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(って、なんでここであいつのこと思い出さないといけないんだよ……)  自分の思考回路にイライラしてきて俺はあ゛ーーーーと潰れたカエルみたいな声を出す。咲夜との一件から現実逃避するために漫画読み始めたのに、ちくしょうこれじゃ意味ないじゃないか。 (咲夜も今頃『閃光戦記』の続き考えたりしてんのかな……どうせ何書いてもランキング一位を独走なんだろ、俺と違ってさ)  考えれば考えるほどぐるぐるしてくる。 (この一か月、あいつに振り回されてばっかで俺何もできてねえ!!)  ぐぬぬぬ、とベッドでのたうち回っていたとき、急に近くにあったスマホが音を立てて光った。  見ると、MINEに新しいメッセージが来ている。表示された先はクラスのグループチャットだ。 『文化祭委員の佐古田です!!  来週のHRで、二学期の文化祭でやる出し物何にするかの決とるので、各自それぞれ考えてきてください!!  おねがいしまーす!!!!』  差出人は佐古田だった。俺とよく喋る『閃光戦記』のファンの二人のうち、テンション高めでデリカシーがないほうの奴。  そういやあいつ、文化祭委員とかやってたな。  佐古田のメッセージに続いて、クラスの面々が思い思いにチャット内で発言し始めた。 『はい!俺お化け屋敷がいい!!』     
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