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案の定、その次の週のHRの時間は大騒ぎだった。
「いや~みんなMINEで積極的に文化祭のこと考えてくれて嬉しかったけど、特に根津くんの案は最高だね! うちのクラスの小説家を文化祭に有効活用なんて、ちょー良い提案じゃねえか!! な、根津くん!!」
教壇に一人立った佐古田が張り切っている。黒板には『文化祭!!』と彼の汚い字で大きく書かれている。
そして名前を呼ばれた「根津」はと言うと、
「…………」
教室の一番後ろ、一番隅の席で、静まり返っている。というか、手元で何かの作業をしていて黒板のほうを見てすらいない。相変わらず目元は長い前髪で隠れている。
「根津くんきいてるー?」
「…………」
「ていうか根津くんも『every』の小説読んでたんだね!」
「…………」
「文化祭でなんかの作品つくるって話、もっと詳しく聞きたいんだけどー」
「…………」
佐古田の声にも反応なし。
「ちょっとちょっとー、もしクラスで劇?とか映画? とかやるんだったら、それの脚本とか原作は絶対日織ちゃんのがいいんだけど」
「あたしもー。『こいしず』みたいな話、クラスでやりたい!」
今度は女子から声があがった。
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