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第一章 嘘
月曜の朝は決まって、教室がいつも騒然としている。
ネット上の『投稿小説』が前の土日に更新されて、みんなその話でもちきりだからだ。
「はよーっす」
ガラリ、と俺は「2年B組」と書かれた教室のドアを開ける。ワックスでふわっとさせた茶髪に黒縁眼鏡、シャツはズボンから出しっぱなしでその上にブレザーを適当に羽織る。俺の登校スタイルはいつもと変わらない。
「あ! 氷河おはよー!」
「はよ~」
すぐさま、教室にいた男子二人が俺に気付いて声をかけてきた。
「早速読んだぜー今週分の『閃光戦記』! 結構分量あったけど、あっという間に読破できたわ」
「やはり君が書いている小説はすごいな。更新分の展開が衝撃的過ぎて、一晩中読みふけってしまったよ」
「これで今週の『every』の週間ランキング一位も確定だな!」
二人のクラスメイト、佐古田と鈴沢は待ってましたとばかりに開口一番まくしたてた。俺はやれやれと首をすくめる。
「だろ? ま、やっぱ俺ってば天才だから、いつだって死ぬほど面白い話書けちゃうんだよね~」
へらへらと余裕の笑みでひけらかす。それを見た二人は吹き出して言った。
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