第三章 文化祭は脚本バトル

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 いつも咲夜を囲って王子様の親衛隊みたいなことをしてる奴らのうちの二人だ。名前は南原美紀と北見真希。面倒なので二人合わせて通称ミキマキ。 「えっ、そこは氷河が脚本だろ! 『閃光戦記』みたいなのみんなでつくりてーよな、なあ鈴沢!」  慌てて壇上から席に座っている鈴沢に声をかける佐古田。 「急に話を降るな。……まあ、俺も佐古田に賛成だがな。咲夜さんではなく氷河のほうが脚本関連には適任だと思うが」  眼鏡をくいっとしながら鈴沢も言う。 「は!? あんた今、日織ちゃんより氷河のほうが上、みたいな言い方しなかった!?」  聞いていたミキが鈴沢に突然食いついた。 「いやいや、鈴沢はそうは言ってないっしょ」  佐古田がフォロー。 「でもそういう佐古田も氷河派なんでしょ? じゃああたしたちの敵ね、こっちは日織ちゃん派だもん」  マキも応戦。 「いやいや、敵とかじゃなくてさ、穏便にいこうよ、な、な?」  そのまま一部のメンバーが変な方向に揉め始めた。一方、俺や咲夜の小説を読んでないメンツも結構いるから、彼らは置いてけぼりで「こいつらなにしてんだ?」と困惑した顔。  あーあー何やってんだ、と俺は対岸の火事を眺めるような気持ちで見ていた。  そこに突然咲夜の声。 「じゃあ、私と氷河くんがお互いに作品の脚本を書いて、どっちが人気かバトルするってのはどうかな?」     
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