第三章 文化祭は脚本バトル

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 席を立って、佐古田のいる壇上に向かう咲夜。 (はあ? あいつ、また変なこと考えやがって……大人しくしてろよ! こっちにまで迷惑かかんだろ!)  内心イライラするも俺は何もできない。下手するとボロが出そうだから。  佐古田が咲夜に尋ねた。 「えーっと、バトルっつーのはどういうこと? 咲夜」  咲夜はよどみなく答える。 「嬉しいことに、『私たち二人の脚本をもとに作品を作ったらどうか』という提案が根津くんからあったわけでしょ? でも、私と氷河くんの作風は全然違うし、それにお互いにはお互いのファンがいるわけだ。なら、決戦投票をしたらどうかな? と思ったんだけど」  おい、何勝手に話進めてんだよ。 「今の私が書いている『恋の雫』と、氷河くんの書いている『閃光戦記』とは別に、互いに文化祭用の新作を書く。文化祭までは時間がないから、期限付きでね」 「新作!? なにそれ、日織ちゃんの新しいのめっちゃ読みたい!!」  女子代表のミキから黄色い声が上がっているが、それどころではない。 「それを両方『every』に投稿して、クラスのみんなに読み比べてもらって、一定期間が経ったら教室で投票をするんだ。どっちの書いた作品が、2年B組でやる演目の脚本にふさわしいか、ってさ」     
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