第三章 文化祭は脚本バトル

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 援護射撃で撃たれてさらに悔しくなってくる。 (こいつらまで……!!)  なんでこんなに女子に翻弄されないといけないんだよ。頼むから俺悪くないのに俺が悪いみたいなムードつくんないで。 「えっここで咲夜のに決まっちゃうのは嫌だー!! 俺は氷河のカッコいい脚本が読みてえよー! 咲夜の挑戦受けてくれよ、氷河!!」  佐古田から泣きそうな顔で、必死の懇願までされてしまった。  勝手に敷かれた背水の陣。    俺はもう、こう言うしかなかった。 「はあ~……わかったっつの。そこまで言われて断るのは恥ってもんだろ?」  あ、なんか調子戻ってきた感じがする。 「咲夜、お前との脚本バトル、受けて立とうじゃねえの。ま、天才の俺がお前ごときに負けるはずないけどねー」  おおー!! と佐古田と鈴沢から歓声を受ける俺。 「ふーん。いい度胸だね」  咲夜がふっと不敵な笑みを浮かべて俺に近寄った。 『でも、いつまでそうしていられるかな? 君のことでさえ、俺は今すぐにでも虜にできるよ』    至近距離で囁かれた。もし教室の中心に壁が存在していたら、壁ドンになりそうな構図で。 (……!!!) 「きゃーーー!! 今のって『恋の雫』の最新話に出てくる台詞だよね!?」     
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