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『閃光戦記』に公式で挿絵はついていないが、一目でそれとわかる人型キャラとロボットのイラストだった。
『あとはー……』
キャンバスに残っていた余白に、根津は再び書き込みを始める。
さっきよりも短時間で、次にタブレットの上に姿を現したのは、紛れもない。
「『こいしず』のリョウとアヤカ……」
『恋の雫』シリーズの、メインの二人のキャラクターが、こちらに向かって笑いかけていた。
やばい、なんか、一周回ってちょっと泣きそうになってる。
こんなにすごい絵を描いてくれる人が、俺、いや、俺たちの作品を読んでくれている。
自己満足で、ただの趣味で書いていた小説は、確かに誰かの心に残っていた。
そのことを目の当たりにした今は、嬉しいとか感動したとかじゃなくて、なんというかもう言葉にできない。
きっと小説を書いてる人だったら、この気持ちがよくわかると思う。
「ん? ちょっと待って。この絵の雰囲気、どっかで……」
咲夜が突然自分のスマホを弄り始めた。開いたアプリはつぶやきSNSの『とりったー(Toritter)』。
「根津くん……。根津……「ねず」……」
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