第四章 作戦会議

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『閃光戦記』に公式で挿絵はついていないが、一目でそれとわかる人型キャラとロボットのイラストだった。 『あとはー……』  キャンバスに残っていた余白に、根津は再び書き込みを始める。  さっきよりも短時間で、次にタブレットの上に姿を現したのは、紛れもない。 「『こいしず』のリョウとアヤカ……」 『恋の雫』シリーズの、メインの二人のキャラクターが、こちらに向かって笑いかけていた。  やばい、なんか、一周回ってちょっと泣きそうになってる。  こんなにすごい絵を描いてくれる人が、俺、いや、俺たちの作品を読んでくれている。  自己満足で、ただの趣味で書いていた小説は、確かに誰かの心に残っていた。  そのことを目の当たりにした今は、嬉しいとか感動したとかじゃなくて、なんというかもう言葉にできない。  きっと小説を書いてる人だったら、この気持ちがよくわかると思う。 「ん? ちょっと待って。この絵の雰囲気、どっかで……」  咲夜が突然自分のスマホを弄り始めた。開いたアプリはつぶやきSNSの『とりったー(Toritter)』。 「根津くん……。根津……「ねず」……」     
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