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「イラストだけじゃなくて、最近じゃCGとかにも挑戦してて、おまけに動画制作はいつも一人で全部やってて、最近じゃ『十年に一度の才能』とか言われてるよね!! はあー、こんなすごいお方がクラスメイトだったとは……」
咲夜が根津に両手を合わせて拝んでいる。
『別に大したことじゃない。俺は、頼まれたことをやっているだけ』
にしても、そのクオリティが半端じゃないんだよな。
「でも、お前が『Nezu』で、ネットじゃめちゃくちゃ才能ある人気者なことと、俺らが文化祭で困ってる件は、あんまり関係ない気がするんだけど……」
俺がそう言うと、根津の口がぽかんと開いた。まるで、「まだわからないの」という風に。
そして、スマホに文字を打ち込み始めた。
『氷河くんと咲夜さんの小説を読んでいる人は、クラスメイトの約4分の1しかいない。これはなぜ?』
急になぞかけみたいな文章を見せられる。
「なぜ? って……読まねー奴はもともと、小説投稿サイトに興味がないか、あとは俺の小説をつまんないと思ってるかのどっちかじゃね」
俺の言葉に根津がさらに返してくる。
『もし「つまらない」のであるとしたら、佐古田さんや鈴沢くん、あと俺は、君の小説にはじめから見向きもしない。と思う』
「それは、確かに……」
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