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『これは俺なりの分析なんだけど、氷河くんたちの小説がクラスで受け入れられていないのは、氷河くんたちが書いているものが『小説だから』の可能性がじゅうぶんにある。ような気がする』
根津が何を言っているのかわからず困惑していると、横から咲夜が口をはさんだ。
「つまり、私たちが書いてるものが小説じゃなくて漫画とかだったら、もっと見てもらえるってこと?」
『そういうこと。はっきり言って小説は、漫画やアニメといった視覚的な要素が強いコンテンツよりも『とっつきづらい』。クラスの人たちのなかには、単に『長い文章を読むのが面倒くさい』とか『媒体が漫画だったら読んでた』っていう人も混じってるんじゃないかな』
「なるほどー……」
なんか、プロデューサーみたいなこと言い始めた。こういう客観的な視点がないと、動画制作で人気になったりとかって難しいのかもな。
「だんだん話がわかってきたかも! つまり根津くんは、イラストと動画っていう武器を用いて、私たちの作品に足りない『視覚的要素』を補ってくれようとしてるんじゃない?」
『咲夜さん、ご名答』
それから、根津はとある「作戦」を俺らに提示した。
彼の戦略にのっかれば、もしかすると作品を読んでくれる人が増えるかもしれないという。
確かにそれは、話を聞いただけでもめちゃくちゃ魅力的な案だった。俺らが今やるべきことは、執筆を頑張るだけ。
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