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「うむ、あの王子様のような外見では当たり前ともいえる」
「俺も『閃光戦記』じゃなくて『恋の雫』読んでみようかなあー?」
調子づいた声色でどついてくる佐古田に、俺はにやっとして答える。
「煽っても何も出ねーよ? つーか、『恋の雫』よりも俺の小説のほうがぜってえランキング上だし、おもしれーことに変わりはねえからな~」
「おおっ流石ランキング入り常連のユーザー様は格が違いますなあ」
「フフフ……ひれ伏したまえ、名もなき読者たちよ」
ドヤ顔したら佐古田にうぜー死ねと言われた。鈴沢は安定の冷静スルー。
このやりとり、こいつらともう何度もやってる気がする。
そのあと先生が教室に入ってきて、みんなぞろぞろと席についた。チャイムが鳴って、代り映えのないつまんねー授業が始まる。
一時間目は古文だ。
(……だりぃ)
この高校に入って、授業が面白かったことなど一度もない。適当やってたってテストの点数なんてあっさり取れるっつーの。俺頭いいから。
(それに、勉強なんかよりも)
一冊の方眼ノートをこっそり鞄から取り出す。
(小説の続き考えるほうがずっとおもしれーわ)
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