第二章 真実と、その先と

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第二章 真実と、その先と

 俺の人生に何か問題があるとすれば、それは俺自身の、昔からの趣味嗜好のことだろう。    小学生の頃に、偶然少女漫画というものを読んでしまったことがきっかけで、あれよあれよという間に気づけば俺はいわゆる「女性向けコンテンツ」のファンへと成長した。いや、成長してしまった。  少女漫画を発端として、中学に入ると女性向けのライトノベルにまで食指がのび、恋愛中心の小説を書店でもネットでもひたすら読み漁るという生活を送ってきた。  そのあと、「俺が一番読みたいものが世に出回ってないから」という理由で、自分で小説を書こうと思い立った。いわゆる自給自足というやつである。  高校に入学してすぐ、大手小説投稿サイト『every』にこっそりアカウント登録をして、書き始めた。一見チャラそうな茶髪男がネットで恋愛小説を書いてるなんてとてもじゃないけど言えねえから、ていうかばれたら俺が死ぬから、クラスメイトにも他の誰にもばれないようにしてひたすらパソコンに打ち込み続けた。     
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