私の本棚

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この楠書店は私にとってはとても好条件だった。 勤務時間帯も丁度良かったが、それだけで無く私の会社にも、最寄りの駅からだって遠い。 書店といっても店長の趣味で、扱っているその大半が私の大好きなマンガだった。 少年、少女、青年、女性、成人、BL、TL何でもござれ。 とにかく店長の趣味丸出しのちょっと変わった本屋ではあった。 うちの会社の人達は多分マンガとは程遠い世界の人達。だからここには来ない。 それでも一応変装はする。 会社では黒渕眼鏡に髪を後ろに一つ縛り。 バイト先ではコンタクトにして髪を下ろしてお化粧も少しだけ濃い目にする。 もちろん、ばれないかは高校からの友達の早矢香で実証済み。変装姿で待ち合わせしたが、目の前に立っても気付かれなかった。 だから、絶対に大丈夫。 誰にもばれたりなんかしないから。
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