ミラクルリサイクル

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なんでも私の所為にして、知らぬ顔をしていたけど、私はずっと、この人は不器用な人で、元々は私のように、百姓仕事をしたことがないのだから、仕方ないと我慢してたの。 でもね、私にも我慢ができないことくらいあるわ。 あなたが、あんな、自分の娘くらいの女と、しかも納屋であんなことをしているなんてね。 あの娘は、私の幼馴染の子供なのよ。 この田舎で、そんなことが知れたらどうなるのかとか、考えたことがある? ところで、このミラクルリサイクルって凄いわね。 画期的な商品よ。 畑の横に置いてある、大きな蓋つきのバケツみたいなの。 家庭で出る生ごみはもちろん、枯草や、枯れ木をこの中に入れて、発酵促進剤と、バイオ資材を入れておけば、微生物がすべて分解してくれて、すべてが肥沃な土となるんですものねえ。 最近の物は、薬剤の技術が進んでいて、動物の死骸までも分解してくれるんですって。 すごく便利ね。あなたが買ったもので、これだけが役にたってるわ。 あなたが土になって、こうして、毎年、実り多い秋が訪れるの。 これって最高のリサイクルじゃない? 家庭のゴミが、こうして毎年役にたってるんですもの。 美佐子は、たわわに実ったミカンを一つもぎ取ると、皮をむいて口に放り込んだ。 あなたのミカン甘いわ。 美佐子は、秋の収穫を楽しんでいた。 毎日毎日、収穫した秋の味覚を楽しんだ。 「美佐子、お前顔、どうした?」     
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