4人が本棚に入れています
本棚に追加
なんでも私の所為にして、知らぬ顔をしていたけど、私はずっと、この人は不器用な人で、元々は私のように、百姓仕事をしたことがないのだから、仕方ないと我慢してたの。
でもね、私にも我慢ができないことくらいあるわ。
あなたが、あんな、自分の娘くらいの女と、しかも納屋であんなことをしているなんてね。
あの娘は、私の幼馴染の子供なのよ。
この田舎で、そんなことが知れたらどうなるのかとか、考えたことがある?
ところで、このミラクルリサイクルって凄いわね。
画期的な商品よ。
畑の横に置いてある、大きな蓋つきのバケツみたいなの。
家庭で出る生ごみはもちろん、枯草や、枯れ木をこの中に入れて、発酵促進剤と、バイオ資材を入れておけば、微生物がすべて分解してくれて、すべてが肥沃な土となるんですものねえ。
最近の物は、薬剤の技術が進んでいて、動物の死骸までも分解してくれるんですって。
すごく便利ね。あなたが買ったもので、これだけが役にたってるわ。
あなたが土になって、こうして、毎年、実り多い秋が訪れるの。
これって最高のリサイクルじゃない?
家庭のゴミが、こうして毎年役にたってるんですもの。
美佐子は、たわわに実ったミカンを一つもぎ取ると、皮をむいて口に放り込んだ。
あなたのミカン甘いわ。
美佐子は、秋の収穫を楽しんでいた。
毎日毎日、収穫した秋の味覚を楽しんだ。
「美佐子、お前顔、どうした?」
最初のコメントを投稿しよう!