ミラクルリサイクル

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ある朝、美佐子の父親が、美佐子の顔を不思議そうに見た。 「なあに?お父さん。」 寝ぼけ眼で、目をこすり、顔に何かついているのかと頬をなでた。 ジョリ。 え、何この感触。 美佐子はあわてて、鏡を見た。 なんで?女なのに髭が? その日から、美佐子の体はどんどん変化していった。 豊満な胸はどんどん小さくなり、顔も顎がやけにごつごつしてきて、眉毛が濃くなっていった。 しかも、顔も、どんどん人相が変わって行き、まるで男のように変わっていった。 「なんで!いったい何が起こってるの?」 美佐子はヒステリーを起こして声を荒げたが、その声もまるで男のようだ。 男というより、どこかで聞いたことのある声だ。 「お前、相変わらず、説明書読まないんだな。」 美佐子の脳の中で、声が響いた。 誰? 薄々、美佐子にはわかっているけど問うた。 「ミラクルリサイクルは、動物も分解するが、その遺伝子情報が土に残るんだよ。土が情報を記憶する。だから、動物は入れないでください、って書いてなかったか?ミラクルリサイクルは植物性のゴミ限定だ。」 何それ、知らない。 「どうだ、俺になった気分は。これからは、ずっと一緒だぜ。死ぬまでな。」
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