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全身の血の気が引きそうになったその時、妻が様子を見に外へ出てきた。
「一人で大丈夫ですか?」
「危ない、中に入れ!」
咄嗟に叫んでしまった。
澄子が妻に危害を加えるのではないかと考えたのだ。
しかし、澄子は呆然と立ちつくしたままだ。
やっとのことで、言葉を絞り出す。
「…誰?」
「妻だ」
今度は毅然と答える。
やり取りを見ていた妻は、穏やかな笑顔を作ると、澄子に向かって一礼した。
「良明さんのお知り合いの方ですか、どうぞ、外は寒いですから、お入りください。」
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