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「執事は"信頼"が大事です。主(あるじ)が信じてくだされば何倍にも力を発揮できます。葉月さまが信じてくださるなら私はあなたを守る武器にも盾にもなりましょう。…私を執事として受け入れて下さいますか?」
悠斗はスッと葉月の側に跪き胸に手を当てる。それはまるで王女に忠誠を誓う騎士のように見えた。
(…安積さんとなら、お嬢様としてやっていけるかな。)
そう思えた葉月は改めて悠斗に返事をする。
「はい、迷惑かけますが、こちらこそよろしくお願いします。」
そう答えると悠斗はホッとしたように緩やかに微笑んだ。不意打ちの変化に葉月は思わず見惚れる。
「主のサポートをするのが執事でございます。…紅茶が冷めましたね。おかわりはいかが致しますか?」
「あ、…大丈夫です。」
「では、夕食の時間にまたお呼びしますね。今日は皆さんで食べると聞いておりますので。」
「お願いします。」
悠斗は机の上を片付けると静かに部屋を出ていった。
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