プロローグ

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「七瀬から全部聞いたよ。御両親がいなくなってからずっと2人で頑張ってきた。僕は葉月ちゃんを1人にする気はないよ?」 申し出はありがたかったが葉月は話を受けるか迷っていた。その理由は… 「…あたし邪魔じゃないですか?」 2人の世界に入ってはいけないと思ったからだ。結婚する2人の時間は大切ではないだろうか。 「邪魔なんて思わないよ。それに2人の時間なら会社で持てるからね。」 ニコニコする拓実の横で七瀬も同意するように笑っていた。 「わたし、拓実くんの秘書だからね。それに帰って葉月がいるとホッとするな。」 「でも…」 それでも悩んでいると拓実がとどめの一言を伝えた。 「部屋なら余ってるし、葉月ちゃんを養うぐらいどうってことないよ。…僕達と家族になってくれる?」 そこまで言われるとさすがの葉月もなにも言い返せなくなり、ついに_ 「はい、よろしくお願いします。」 この提案を受けるよりほかなかった。
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