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邸宅の前に案内をしてくれた人が扉を開ける。
開けた先に待っていたのは葉月には衝撃が強い光景だった。
「「「お帰りなさいませ、奥様。お嬢様」」」
たて一列に並んでメイドさんとスーツの男性達に迎えられる中、七瀬は慣れたようにまっすぐ目的の人物に向かって歩く。
その様子を葉月は固まったように見ていた。
「…拓実くん、葉月がビックリしてるから説明して?」
眉を寄せて七瀬は拓実に説明を求める。
拓実は多少苦笑しながら葉月に笑いかけた。
「葉月ちゃん来るの初めてだよね…?ゴメンね、驚かせて。中を案内するから樹(いつき)、葉月ちゃんをお連れして?」
「畏まりました。拓実さま。…では、参りましょうか。」
そう手を差しのべてくれた男の人に戸惑いながら葉月は手を重ねる。
(なんか…ついていけない…)
歩きながらきょろきょろ周りを確認する。
「…葉月様どうかされましたか?」
「な…なんでもないです!」
不思議そうな顔で見てくる樹に葉月は慌てたように返事を返したのだった。
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