9人が本棚に入れています
本棚に追加
/47ページ
***********
拓実に案内されたのは応接間だった。
そこには一組の夫婦がいて温かく出迎えてくれた。
「お義父様、お義母様、今日からよろしくお願いいたします。」
七瀬がそう挨拶して拓実の両親だと気づいた。
(すごく若く見える…。)
「そんなに畏まらないで?家族になるんだから。…そちらは妹さん?」
「あ…すいません!妹の逢坂 葉月です!姉をよろしくお願いいたします。」
慌てて挨拶をする葉月に義母が朗らかに笑いかける。
「葉月さん、そんなに緊張しないで?それに…あなたも常盤を名乗るのだから。」
(そうだった…。あたし苗字変わるんだ。)
七瀬と拓実が婚約した時点であとは婚姻届を出すだけだった。しかし、葉月を名実ともに家族にするためにいろいろ動き、卒業を待って今日を迎えたのだ。
最初のコメントを投稿しよう!