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「あたしを…家族にしてくださってありがとうございます。精一杯頑張ります。」
葉月が頭を下げると何故か慌てたように義父が声をかけた。
「葉月ちゃん頭を上げて!…拓実から聞いた時はビックリしたけど、1人にしたくないのは僕たちも同じだよ。…本当の家族みたいに思ってほしい。」
「そうよ!それにわたくし娘がほしかったから…2人も出来て幸せだわ!だから…わたくし達のことは"お父さん""お母さん"と呼んでちょうだい?」
横から義母が同意するために口を挟んだ。そのウソのない言葉に葉月はやっと緊張が解けて少し目が潤んだ。
「はい。お父さん、お母さん…」
拓実がハンカチを差し出す前に義両親が走ってきて2人でギュッと葉月を抱き締める。
「ここにいる人はみんな葉月ちゃんの味方よ!なにかあったり不安なことがあったらなんでも言ってね?」
(あたし、ここにいてもいいのかな…)
抱き締められる腕の中で葉月はぼんやりとそう思ったのだった。
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