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「またいつか、会えるといいな」
なんて、名残惜しさを振り払うように俺は言った。
「そうだね。またここで、こうやって会えたらいいね」
そして彼女はこうも言った。
「そしたらまた、こんな風にキミを好きになるのかな」
その言葉に、俺はこう返す。
「さぁ、どうだろうね。少なくとも俺は、また君を好きになると思うよ」
彼女の瞳に、また涙が溢れかえる。
「そっかぁ……。なら、大丈夫だね」
「何が大丈夫なのさ」
「だって、またキミから声をかけてくれるんでしょ?」
「もちろん」
「じゃあ、平気だね」
もうほとんど消えかけていた彼女は、最後にこう言う。
「じゃあ、またね。またいつか、ここで会おうね。約束だよ――」
その言葉を最後に、彼女は行ってしまった。
また次に彼女に会えるのはいつだろう。
今度の約束は、絶対に守らないと。
そしてもう一度伝えるんだ。
次に会ったときはなんて言おう。セリフは、そうだな――
『あのっ、えっと、その……、ずっと、ずっと前から、君のことが――好きでした』
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