占いは当たるも八卦当たらぬも八卦

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占いは結構信じるほう、かもしれない。 すごくいい時と悪い時だけ。まぁ、大体みんなそうだと思うけど。 『今日は何をやってもうまくいくラッキーデー』なんて書いてあったら、やったー!って感じ。 逆に『最悪の一日』なんて言われたら、もうそれだけでドンヨリ。まだ何も起こっていないのにね。先週がまさにそうだった。親友の(かなう)の言葉を聞くまではごく普通の一日だったのに。 「今日のさそり座は12星座中、最下位だと」 そんなこと、わざわざ教えてくれなくていいのに、ニヤッとしながらご親切にも教えてくれたのは同級生で同じバレー部の麻生 叶。 彼の一言で、私の一日は暗転。 部活でボールが体育館の天井の鉄骨に挟まって、みんなに笑われた。 「最下位だからな。仕方ないよ」 叶はそう言って慰めてくれたけど、バレー部にさそり座は私だけじゃないだろ?って思っていた。まだその時は。 でも、帰り道、自転車がパンクした時はさすがに最下位だからか?と思い始めた。 叶と一緒に遠回りして自転車を押して行った『あさひ輪業』に、臨時休業の札が下がっているのを見た時は妙に納得してしまった。だって最下位だもん。 後輪がガッコンガッコンと音がする自転車を押して帰りながら、明日はせめて5位ぐらいがいいなぁなんて思ったりして。 だから、今朝ベッドでスマホを見たときは本当に驚いた。 占いのアプリがあって、これが結構当たる。いつもチェックするわけじゃないけど、たまたま今日はすっと目が覚めたから見てみた。 あらかじめ干支も星座も血液型も性別も登録してあって、今日の運勢はなんと花丸! 『今年一番の日です。人生の中でもベスト5に入る日。悔いの残らぬよう素直になって』と書いてあった。 思わず「うっそー!」と叫んだら、下から早く下りて来なさい!というお母さんの声がした。  
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