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いつもの道、いつもの店、いつもの時間。
普段意識すらしないような日常の中で、俺は退屈していた。
(腹減ったな……)
ぼんやり夕飯のメニューに思いを馳せながら、自転車をこぐ帰り道。
少し前まで満開だった桜も、今はなんの木だか分からないくらいただの景色として溶け込んでいる。
「月兎くん、今帰りかい?」
近所のおばさんに声をかけられ、軽くブレーキを握った。
「そうそう!もぉ腹減っちゃってさ!」
笑いながらおばさんの方に向き直った瞬間だった。
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