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僕を打ち倒してしまいそうなほど荒れ狂った。
僕の世界は閉ざされ、僕もその日から学校に行かなくなった。
君のお葬式にクラスの皆が出席したみたいだけど、僕は行かなかった。
君の死を認めたくなかったから。
数日後、僕は君のお墓の前で君の名前をなぞった。
僕が君の死を受け入れた瞬間だった。僕はお墓の前で夕暮れになるまで泣いた。
やがて夕暮れは闇を連れて来た。僕は闇に紛れてある決意を胸にしたのだ。
「君の夢を叶える。」
僕は、納骨堂から君を連れ去った。
「君は僕のタイムカプセル。きっと夢を叶えるからね。」
何時間もかけて、この場所にタイムカプセルを埋めたのだ。
何時間経っただろう。土の中から白く細いものが出てきた。
僕は溜息をついた。
「まだ、土に還らないんだ。」
がっかりした。
君が土に還ったら、僕は花の種を蒔こうと思っていたのだ。
花が咲いたら移植して、ずっと僕が大切に育ててあげる。
君と僕はずっと一緒に時を過ごすんだよ。
その時まで僕はずっとこの土を掘り続けることだろう。
僕はその土をそっとまた埋め戻して、目印に大き目の石を置き、携帯で写真を撮った。
「また来年の今日来るね。」
僕は別れを告げ山を下りた。
「ねえ、母さん、人は土に還るんだよね。」
僕は母に聞いてみた。
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