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けれどそれさえも、現実は許してくれないらしい。
「ユメの書店へ、よぉうこそぉ」
「まっ魔法使い!?」
「何を寝ぼけてるんですか」
呆れるように笑う彼は、黒いローブに身を包み、負けないくらいの黒髪短髪に先の尖った帽子を乗せて、手には分厚い本を抱いて、はるか上にある視線が私を見下ろす。
しかもちょっと、偉そうに。
「ここ本屋ですよ? まだ朝ですよ? 寝惚けてるんですか?」
「は?」
わざとらしく私の額をつついた男はケラケラ笑って、飛び回る本たちの間を進んでいく。
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