本屋では突然に

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 私の言葉なんて聞きもしない男は、崩さない笑みで言葉を続ける。  ヤバい。  私はとてつもなくやばいところへ来てしまったのかもしれない……。  そう思ったのも束の間。  男は、変わらない口調で不思議な言葉を口にする。 「人の心を知るための勇気」 「え?」 「勇気を出すための勇気」 「えっと……」 「本当の気持ちを伝えるための」 「待って!」  それはまるで呪文のように、男の口から紡がれる言葉。
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