act 1  瑠璃色のひとみ

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 「ロコ、これから出かけるんだ。その人と遊ぶのは後」  そう侯爵に言われて、ロコはこくん、と頷くとヴォアの中へと入っていった。  「どうもうちのロコは、仕事はできるんだが、遊んでくれそうな人を見ると、遊びたがるんだよな。」  そう侯爵がため息交じりに呟いた。  ヴォアの外装も素晴らしかったが、内装も煌びやかだった。  好きな所へ座って、と促された先にはふかふかの椅子があって、ソフィーは落ち着かない気持ちでその椅子の端っこに座った。その隣に侯爵が座り、目の前には長髪の男性が。    「そういえば、紹介がまだだったよな? 彼はディアン。幼馴染なんだ」  そう侯爵が言うと、長髪のディアンは、いやいや、と手を顔の前で振った。  「ただの、お側付き、ってやつさ。俺は貴族様じゃないんでね」  ディアンはそう大きな口をニイッとして、意味ありげに笑った。  身体も大きいが、声も大きい。褐色に灼けた肌に、銅色の髪、ヒスイ色の瞳。  「…ディアンさんは、どこのご出身ですか?」  そうソフィーが尋ねると、ディアンは愉快そうに笑った。  「気になった?そりゃ気になるよな~!こんなナリだもんな。   俺の生まれはオーベル=バリアンさ。でも、両親はロロルナの出身なんだ」  「ロロルナ・・!行ったことあるんですか?」  「あるぜ~~。いいところだよロロルナは。あそこは…」  「ストップ」  意気揚々と話し始めたディアンを遮ったのはテーオドル侯爵だった。  「ソフィー、なんでディアン?俺には興味ないの?   俺はソフィーに興味あるんだけど」  至極真剣に、隣からテーオドル侯爵が顔をのぞき込んできて、ソフィーはまごまごした。  向かいの席で、ディアンが「この人ヤキモチ妬きだから気を付けたほうがいいぜ~」と豪快に笑った。      
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