act 1  瑠璃色のひとみ

7/21

7人が本棚に入れています
本棚に追加
/85ページ
 「ええと、どこだったかな…。」  「あそこよ!学院!」  分かった!と顔を輝かせたのはジェシーだった。クラシカは「学院?」と不思議な顔をした。    「そう、院長室に飾ってあったもん」  「え!じゃぁ、院長先生はこの男の子なの?」  ソフィーは顔を横にふった。  「違うわ。はい、問題です。学院は誰が建てた?」  「院長先生じゃないの?」  「だって、国には沢山の学院があるのよ?全部の学院には違う院長先生がいらっしゃるでしょう?」  「わかった!王様だ!」  あたり!とソフィーはジェシーの額をつん、とした。ジェシーはきゃっきゃとくすぐったそうに笑った。  「これはね、水の女神様が、人々の上に立つ者の証にくれたものなんですって」  円盤を授かった青年は村へ降りた。  すると、どうだろう!  青年の言葉は一言一言村人にちゃんと届くようになった。  青年の指示に、村人は迷うことなく従って、  山津波がおきても誰も死ななかったのだ。  こうして、青年は女神と暮らし、村を守っていったー…  「ねぇソフィー、この男の子は今も女神様と一緒にいるの?お父さんとお母さんは?」    クラシカがソフィーを覗き込みながらぽつん、と聞いた。     
/85ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加