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結局その日、僕達は家に帰らなかった。
三男は、他の兄二人にも家に帰らないよう連絡したらしい。けれど、怖がりな長男は指示に従ったものの、次男だけは平然と家に帰った。
その報告を受けて、三男は呆れながらも、「化け物同士だし、だぶん大丈夫だろ」と言っていた。
翌日、僕達は恐る恐る家に帰ってみた。そこに居たのは呑気な顔で出迎えてきた次男のみで、どうやら三男が見たものはどこにも居ないようだった。
あの時、三男は何を見たのか。
彼は、何も語らない。
ただ、真っ青な顔でたった一言だけ、「顔が、」と言ったことがある。
ところで、最近気になることがある。
時々、次男が一階から階段を見上げているのだ。
彼の目には一体、何が見えているのだろう。
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