4.泣く女

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とその時、買い物に行っていた次男が帰ってきた。 「何だ夏樹、うるさいぞ。少し黙れ」 顔の覗かせた次男が、心底煩わしそうに顔を歪める。 「あっれ俺だけ!? 毎回俺にだけ冷たすぎない!?」 「気のせいだろ。……で、何の話をしてたんだ?」 「ああ、それがさ……」 まだ不満そうにギャンギャン吠える長男を無視して、僕は例の女の人の話をしてやる。次男もそのことは覚えていたようで、すぐに話題に乗っかってきた。 「ああ、そのことか。二人共覚えてたんだな。おかしな人だとは思ってたんだよ」 「あれをおかしな人で片づけられるお前がスゲーわ」 「……? あ、そうだ」 次男は心底不思議そうに首を傾げたが、ぱっと笑って、何かを思い出したかのように、手を叩いた。 「その女の人、だけどな」 「さっき、玄関に立ってたぞ」
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