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女「……きて……」 女「起きて!」ペシッペシッ  叩き起こされて目が覚める。 男「ハッ」  知らない森の中にいる。ピンクの髪の女の子に起こされた。 男「あ……え……あ……?」  夢かと錯覚するが感覚は現実のもの。 女「よかった……目が覚めて」 男「え……え……?」ガサッゴソッ  本当に夢じゃないのかと辺りを触って感触で確かめる。完全に夢じゃないと感じる。 女「大丈夫? わかる? あなたの名前は?」ユッサユッサ  女の子が喋っていることはわかるが気が動転して詳しい内容は入ってこない。 男「え、いや何で俺こんなところに。え、だって昨日布団で寝てて……え? でもこれ夢じゃない。あれ?」  はっきりと喋ることでまた夢じゃないと再確認。 女「落ち着いて。これは夢じゃないの。ここは現実なの」  女の子の言葉を理解する。なぜそんなことになっているのかはわからない。 男「……」 女「……ねぇ、あなたも私と一緒なの? 私もさっき目が覚めたら」 男「……へ? は? 嘘だよね?」  とっさの拒否反応。 女「嘘でも冗談でもないよ」 男「え、な、何なの君。君がやったの? 君がここに連れてきたの俺を?」  近くに女の子しかいないので彼女を疑う。 女「違う、違うよ。私もあなたと同じなの。目が覚めたらここにいて」 男「え……嘘だ」  何かとてつもないことに巻き込まれたと恐ろしい考えが頭の中を支配する。 女「嘘じゃないよ」
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