#09 恋愛成就の木

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#09 恋愛成就の木

この学校には七不思議の一つに秋の夕方、日の沈む頃に校舎裏の桜の木の下で告白すると必ず成功するというのがあった。 「あ、あの!私と付き合って下さい!」 「は、はいぃ!」 夕日と校舎の影が巨大な葉の枯れた老木をバックに女の子を照らし、巨大な怪物と対峙する恐怖を発生させる。 この状況で断れる男子はなかなかいないが、この年の11月山田君がルー語で断ったことで伝説は消え、七不思議の一つに遂に山田君が加わった。 逃げきれなかったか、七不思議。
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