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#18 月が綺麗ですね その2
仕事で失敗して、部長に屋上でコーヒー片手に愚痴を聞いてもらった。
「みんな冷たいんです。同僚どころか仕事を教えてくれた先輩まで…」
「まあまあ、そういじけて無いで、上を向いて下さい」
「上を向いたって良いことないです。崖を見上げるだけなんです。」
「まあそう言わず」
部長が私の肩に手を置いた、ふと部長の方を見る。
「月が綺麗ですよ、まあ今日は出ていませんが」
そう言って微笑む部長、これは…やはりそういうことなのだろうか?
私は赤くなる顔を見せないために俯きながら答えた。
「死んでもいいわ」
きゃ~言っちゃった!
ガシっと部長に両肩を掴まれ、互いに向き合う、キス?キス来ちゃうの?
「簡単に死んでもいいなんて言っちゃいけません!」
この後言い訳できる余裕があるはずも無く長々と命の大切さを説かれた。
翌日から会社の皆が嫌に優しくなった。死にたい。
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