#02 かっこよさ

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#02 かっこよさ

中学二年生男子、おそらく一生で最もテンションが高い時期だと思う。 ほら、今日も隣からクラスメイト達の楽しそうな声が聞こえてくる。 「なあ!一番カッコいい言葉言ったやつが優勝な!」 「なんだよそれ?」 「例えばさ、インターネットエクスプローラ!」 それはブラウザーだ。 「ほう…やるな…ならば俺はシンセサイザー!」 楽器だ。 「ウルトラヴァイオレットレイズ!」 紫外線だ、バイオレットじゃなくてヴァイオレットなのが無駄に腹立つ。 そろそろうるさくなってきた。 注意しようと思ったとき、隣の席の山田君が立った。 「お前らストップだ、クールな言葉ってのはイグジストしない、ありふれた言葉をウェアーでユースするかだ」 途端に静まり返る男子たち、日常でルー語を使う男は格が違った。
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