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綺羅羅は何かを探していた
それがなんだかわからなかった
ルビー色の
サファイヤ色の
アメジスト色の
ううん違う
もっともっと透明でキラキラしているもの
なんだろう
なんだろう
海を渡る
鳥達に訊いてみた
花から花へ忙しく飛び回る
虫達に訊いてみた
キラキラするもの泉にあるよ
綺羅羅は泉に行ってみた
そこから湧き出す水は
とてもとっても綺麗だった
でも綺羅羅が探している物では
なかったような気がした
「キラキラホカホカしているもの知らない」
大地を駆け抜ける
動物達に訊いてみた
水しぶきをあげて回遊する
魚達に訊いてみた
キラキラホカホカするもの
山の奥の上にあるよ
山の頂にキラキラ輝くもの
それは、自然に湧き出る温泉だった
でも違う
綺羅羅が探しているものではなかった
綺羅羅は見つからなくて泣き出した
すると・・・・・・
綺羅羅の瞳からあふるる涙が
綺羅羅の手のひらに転がった
「キラキラホカホカするものだ・・・」
そう綺羅羅は美しい心が流す涙を探していた
悔しいとき
哀しいとき
嬉しいとき
感動したとき
そんなときにいつも自分のそばにいてくれる
流るる涙が綺羅羅の宝物だった
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