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その後卒業までの間、挨拶くらいは交わしたけれど……
結局それ以上の事は無かった。
ああ、こうして大学四年間恋人も出来ぬまま就職して行くのか………
(告白するつもりも無かったし、他の人を見るつもりも無かったけど)
そしてあの日。
卒業前の追いコン、酔いつぶれた卓に帰り道同じだなんて嘘着いて……卓をラブホに連れ込んだ。
悪ノリとジョーダンのつもりで卓は居たかもだけど
俺は真剣だった。それに随分飲んだにも関わらず、俺の酔いなんてこの状況にとっくに冷めて居た。
「男とセックスとか、できんの?」
「解らない、男相手は俺も始めてだから」
なんて俺はまた嘘を付いたが、好きな相手前に我慢なんてとっくにタカが外れてしまい、むちゃくちゃに抱いた。
なのに……むしろ卓の方が嘘を付いて居るんでは無いかと思ってしまった。
何故なら俺達は始めてとは思えないほどスムーズに事に達して、それだけじゃなく気持ち良かった証拠にたった一晩で何度と無く一緒に吐精した。
流石に夜が明けるまで抱き合った後にはすっかり卓の酔いも冷め、お互い顔を合わすのも気まずくて、ホテルを出る時にはよそよそしく別れたが、何とか俺は連絡先を交換する事が出来た。
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