最低な再会 則本哲太

1/3
前へ
/104ページ
次へ

最低な再会 則本哲太

胸にあいた穴は自分が思ってた以上に深く…… どれだけ卓に依存していたのかが痛いほどに解る。 それでも時が過ぎ、傷が癒えるのを待つ。 それしかない。 あの日アドレス帳から卓の連絡先は消去した。 新しい仕事先も聞かなかったし、どこに住んでるかも知らない。2年半もの間、共にした場所の殆どがラブホ。 ろくでもないな。 どうせ会えなくなるなら、 せめて気持ちだけでも伝えるべきだったかも。 笑って馬鹿にされんだろーけど、それで終わりの方が きっとラクだ。 「…んとに俺はバカやろーかよ」 「おいっ哲太、何ブツブツ言ってんだ仕事詰まってんのか?」 「え、あ、いえ」 「最近やつれてないか?無理すんなよ」 「はい」 卓……会いてえよ。
/104ページ

最初のコメントを投稿しよう!

418人が本棚に入れています
本棚に追加