声の温度 濱田卓

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「あ、………」 哲太が俺を驚いた顔で見るので、今俺が口に出してしまった言葉を反復する。 好きになったヤツ……じゃ無い! な、何言っちゃった!?何言っちゃった!? イヤ、好きだよ好きに決まってるけど 告白と同時に否定って! 「あ、ち、違くて、あの、間違えた……っんぐ」 言葉の途中で押し倒され、唇は哲太に塞がれた。 じゅっ……ちゅる…… 強引なキスから次第にトロトロしたキスになり、 哲太の舌が俺の口全体を犯していく。 久々の哲太とのキスに胸がいっぱいになる。 熱い……こんなんされたら…… 股間が熱くなるし?やっぱり哲太のキス気持ちいし? で……でもひつこくね? 息が…… 「く、くるしーっつの!」 ハアハアハアハアハアッ 「ご、ごめん」 何その熱持った表情。勘違いすんだろ 「卓」 何その声の温度。苦しくなるだろ。 つい一カ月前までは当たり前の様にしていたのに、 今更になって恥ずかしくなる。
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