相当好き。 則本哲太

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相当好き。 則本哲太

状況が上手く呑み込め無いまま本能で身体は動いた。 無我夢中で卓の唇にキス。 好きだ。好きだ。好きだ。 たまらなく…… 久しぶりに触れた卓の唇。 薄いのに柔らかくて、甘い。 「く、くるしーっつの!」 身体を押し返されてハッとする。 「ごめん、卓」 「別にいーけど。お前さ、何を勘違いしてんのか知らねーけど、金とかで寝る様な俺じゃねーし。そう言うの勝手に解釈して最低だぞ」 「お前いつも金欠だったから」 本当最低だ俺。 と思いながらも安堵の気持ちに悪態をついた。 「お前と金で寝たかよ……バカ」 みるみる赤面していく卓にこっちまでつられる。 こんな顔見た事ねえよ。 いつも暗がりでセックスしてたのも有るけど、気持ちがバレるのが怖くて卓を直視出来なかった。 でも今なら。 さっき、卓は俺に"スキになったヤツじゃない"って言った。それは俺がひどい事言ったし、したからだ。 きちんと確認したい。 それに、俺からきちんと伝えたい。 「俺卓の事、好きだよ。毎回そう言うつもりで抱いてた」 まっすぐに目を見て伝えた。 その瞳からは上向きにも関わらずウルウルとして…… 溢れ出すその前に卓は自分で拭き取った。 その強がりな姿勢が愛おしくなり抱きしめる。 「俺につられて告ってんじゃねーよ」 「つられてねぇ。言うつもりだった」
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