418人が本棚に入れています
本棚に追加
相当好き。 則本哲太
状況が上手く呑み込め無いまま本能で身体は動いた。
無我夢中で卓の唇にキス。
好きだ。好きだ。好きだ。
たまらなく……
久しぶりに触れた卓の唇。
薄いのに柔らかくて、甘い。
「く、くるしーっつの!」
身体を押し返されてハッとする。
「ごめん、卓」
「別にいーけど。お前さ、何を勘違いしてんのか知らねーけど、金とかで寝る様な俺じゃねーし。そう言うの勝手に解釈して最低だぞ」
「お前いつも金欠だったから」
本当最低だ俺。
と思いながらも安堵の気持ちに悪態をついた。
「お前と金で寝たかよ……バカ」
みるみる赤面していく卓にこっちまでつられる。
こんな顔見た事ねえよ。
いつも暗がりでセックスしてたのも有るけど、気持ちがバレるのが怖くて卓を直視出来なかった。
でも今なら。
さっき、卓は俺に"スキになったヤツじゃない"って言った。それは俺がひどい事言ったし、したからだ。
きちんと確認したい。
それに、俺からきちんと伝えたい。
「俺卓の事、好きだよ。毎回そう言うつもりで抱いてた」
まっすぐに目を見て伝えた。
その瞳からは上向きにも関わらずウルウルとして……
溢れ出すその前に卓は自分で拭き取った。
その強がりな姿勢が愛おしくなり抱きしめる。
「俺につられて告ってんじゃねーよ」
「つられてねぇ。言うつもりだった」
最初のコメントを投稿しよう!