418人が本棚に入れています
本棚に追加
その日を境に俺から連絡をする事は、止めたが
哲太からは変わらず誘いがかかる。
彼女がいる癖になんで俺なんかと……と思うも、快楽だけで無く会いたい気持ちに流されて俺は哲太と約束をしてしまう。
哲太とするキス、哲太の愛撫、哲太の体温。
ぼんやりと、好きなんだ……とは思っては居たが
彼女が居ると知り、ハッキリと気持ちに輪郭が出来てから、まるでそれらは違う様。
スポーツをする様にして居たセックスが、いつの間に
ネチっこいセックスになる。
そんな俺に哲太は、
妙にエロくなったとか、そういうのも好き。
とか言う様になった。
俺は哲太が更に愛おしくなって胸が張り裂けそうになる。
哲太の甘い言葉。まるで俺に気が有るかの様。
絆され、罠にかかる。
俺はバカだ。
身体を重ねたから情でも湧いたか?
身体は快楽に溺れてもココロは辛くなるばかりで
もう我慢する事に疲れた。
潮時。
そう思って、転職を機に会えなくなる事を伝えた。
俺には勇気の必要な決断だったのに、
こんなにアッサリ?
ホテルに残され、ベッドに座り、俯く。
捨てられたコンドームにティシュ。
頬を伝う涙。
どれもこれも虚しい現実。
最初のコメントを投稿しよう!