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木崎は小さく私の名前を呟きパチパチ瞬きをすると笑顔で寄ってきた。「ほしの」は「星」を。「あおい」は蒼穹の「蒼」の漢字を使っているのか聞いてきたので若干ひきながらも、首を縦に動かす。
すると生徒手帳を取り出して自分の名前を見せてきた。そこには「木崎月」と書かれていた。ルナ…そういえば月と書いてそういう読み方もあるのを思い出す。
「格好いいでしょ。私もお気に入り♪」
「名前の由来で空が好きなの?」
「まあね。小さいときプラネタリウム行った日は眠れないくらい興奮したわ~。
そういう訳で星野蒼なんて好きすぎる。私のことルナ、て呼んでね蒼!」
その場にごろんと倒れて空を眺めたルナを真似て私も横になった。広いなあ。自分の中にある悩みが小さく感じるよ。
ルナいわく、それが空の魅力だとか。
「これが夜だったら最高に綺麗だよね」
「それすごい!いいアイデアすぎ!」
「木崎!星野 !」
名前を呼ばれて体を起こせば、数学担当の安藤先生がいた。…ヤバい、かな?ルナと目と目で会話をする。
「今は授業中であり、ここは立ち入り禁止の場所だぞ!!」
そのまま襟を掴まれて職員室まで連れていかれ散々お説教された。
「二度と屋上へ行くな!あと夜に忍び込んだら退学だ!!」で、お説教は締め括られた。
先生てば意外と私達の会話聞いてたじゃん…。
職員室をでるとルナと顔を合わせて小さく笑った。
「まっさかこんなに早くお説教受けるなんてね、しかも蒼と」
「私達悪い生徒代表入り?」
「ほんと、そうかも。んじゃ教室行きますか~」
別れ際LINE交換していつでも連絡とれるようにした。もちろん退屈な授業のときでも、ね。
だって安藤先生LINEするな、とは言ってないもん。完全なひねくれだけど学生はそういうスリリング含め楽しむんです。
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