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星座
「蒼は何座?」
帰宅部の私たちは放課後話すのが定番になった。
「双子座だけど」
「ポルックスとカストルか」
ぽ、ぽる…?分からないという顔をしている私にスマホで検索した画面を見せて説明をしてくれた。
「神話で難しいこといっぱい書いてるけど、要するに神の力を持ったポルックスが死んでしまったカストルに命の半分を捧げて半分人間半分神になった。この強い兄弟愛でそのまま空の星座になった。というわけ」
「へえ、すごい絆だね。命半分捧げるなんて普通の兄弟じゃできないよ」
「だから星座にもなれたんじゃない?あんなに沢山ある星をつないでできた12星座の1つに」
「ルナは私になにかあったら命捧げてくれる?」
笑いながら聞くとルナは即答した。
「無理。嫌だよこの命は私のだし、しかも相手が蒼じゃん」
「相手私だから嫌なの!?」
「うん。蒼は死んでも閻魔大王に『寿命伸ばせコラぁ!!』て言うタイプだから私の命は必要なし」
「あははは!!いいね!死んだらそうする!」
二人しかいない教室には明るい笑い声が響いた。こんなバカできる相手はやっぱルナしかいない。最終下校のチャイムが鳴り響き楽しい時間も終わりを告げた。
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