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私の家から数分の所にある海、幼少の頃から当たり前のようにそこにあって、季節にかかわらず、毎日のように来て居たが、今は、ここに来ると胸が苦しくなる。
私の大切な弟を奪った、青い海を見ると涙が出るほど辛く悲しい。
「お姉ちゃん」
弟の呼ぶ声が、今でも鮮明に思いだす。
1年前の今日、弟は変わり果てた姿で発見された。
警察は目立った外傷が無い事から、事故と処理された。
でも、私は信じてる弟は事故で無い事を、慣れ親しんだこの場所だからこそ、ここで弟が誤って死ぬ事が無いと。
そして、あの事件の1週間前、見た事の無い車と黒い服を来た人が近所で目撃されていた。
あの日、弟が帰宅時間になっても帰って来なくて、母と二人で探しに行った時に、私は見たすれ違って行くあの不審な車を....
それを警察に話したが、
「暗かったから見間違いだろう」とか
「その車が弟さんが亡くなった事と関係あるかが証拠が無い」とかで
全然、相手にしてもらえなかった。
私は、たった1人の姉弟だから、分かるこの海で溺れて亡くなるなんて無いと確信してる。
だから、私は、みずから、弟の死の真相を突き止める。
たとえ、その先にあるものが、私が望む真実では無くても、弟の無念の声を聞きたいから。
私のそばで、波が寄せて返していく。
まるで、はじまりと終わりを表すように、私の足元を濡らしていく。
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