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「何で? つまみ食いでもしたのバレたのか?」 目を丸くした鈴木を「バカ言うなよ」と透は軽く睨み付けた。 「つまみ食いどころか他の相手を口説いてもねーし。 アイツと同じこと言うなよ」 「アイツ、って?」 「あー、ちょっと……」 「教えろよ? 気になるじゃん」 「……フラれたその日に酔っぱらって帰って来て、お前だと思って普通に電話で喋ってたら間違い電話してた」 冷たく「誰なの、お前?」と言ってきた声を思い出し、透は再び顔が赤くなった気がした。 「ああ、だからこの間、 お前本当に鈴木? って確認してきたのか」 「もーそれ以上言わないでくれ。 かなり恥ずかしかったんだからさ」 可笑しそうに笑う鈴木を制するため、「次、何飲む?」と透は聞いた。 「まーそうだろうな。 あ、親父さん、ハイボール2つね。 で、何でフラれたんだよ?」
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