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「何でオレがゲイの人に会わなきゃいけないんだよ!?」 「将太、声デカイって」 「だから何でオレがサキのフリしてゲイなんかに会わなきゃいけないの?」 「だってこんな事頼めるの将太しかいないし」 透との約束まで後一週間となった土曜日の午後、翼は親友の将太とファミレスにいた。 将太とは高校の時に友達を介して知り合い意気投合し、今でも連絡を取り合う仲だった。 「お昼奢るから」と呼び出し、「好きなもの頼んで」と笑いかけ、将太が食べ終わったのを待ってネタバレした。 「そんなの断りゃいいだろ?」 「けどそれじゃ相手がどんな人か確認出来ないだろ?」 「だからってオレが会うのってどーよ?」 「将太だから頼めるんじゃん。 こんな事」 「あのねー、オレを何だと思ってんの?」 将太は呆れたように言って、アイスコーヒーにミルクとガムシロップを加えている。 「将太なら向こうがヘンな事しようとしても、得意の柔道で躱せるだろ?」 将太がストローでコーヒーを混ぜるのを見ながら、翼は将太を人選した理由を述べた。 「まあ自信はあるけどね」 「だろ? 相手がどんな人か分からない以上、 オレが会うのは危険だと思うしさ。 将太、お願い!」 両手を合わせて上目遣いに将太を見る。 「ったくサキの頼みじゃしょうがないか。 で、どーすればいい?」
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