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「もしもし、透さん?」
『ああ』
「明日の事なんだけど、もう一度場所と時間確認していい?」
『は? 昨日決めたばっかだろ? ナンか不都合なことでも出来た?』
「そーじゃなくて、ホントに確認したいだけだから」
『ふーん……。
なー翼、風邪でもひいた?』
金曜の夜、翼の部屋に将太が泊まりに来ていた。しかも今透と電話をしているのは将太だった。
二人はスピーカーフォンにして透の声を聞きながら、目配せし合った。
「うん。今日ちょっと仕事で汗かいたら車の冷房で冷えちゃったみたいで。
何となく喉も痛いし」
『大丈夫か?
辛かったら明日無理しなくていいよ?』
「ああ、平気平気。
明日はアンタの奢りでタラフク喰ーんだから」
『その件だけど……
俺は確かにお前に会いたいって気持ちは変わらないよ。
けど、もしお前が本当にイヤなら断ってくれて構わないよ?』
その言葉に将太は翼を見たが、翼は首を左右に振って唇だけでダメダメと伝える。
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