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待ち合わせ場所の噴水前に、将太はゆっくりと近付いていった。 約束の11時半まで後5分くらいだ。 周囲には同じように待ち合わせでもしているのか沢山の人が立っている。 それをザッと見渡すと、将太は翼から聞いた人物を当て嵌めていく。 25歳。偉そうな物言い。ゲイ……。 服装とか目印になる物については決めなかったと言う。 互いに見た目で会うのを選択されるのがイヤだと言ったらしいが……。 年齢的に当て嵌まりそうなのは6人。 そのうち二人は短髪にヒゲ、ガッチリとした体型。 逞しい二の腕が日々鍛えていることを証明している。 “こいつらが一番怪しいか? どっちが来てもゼッテー負けねー!” 一人は普通の人。 これと言って特徴がなく地味で目立たったところがない。 スマホをずっと弄っている。 “こいつが二番目に怪しいか?” 問題は残りの3人だった。 それぞれが美形なのだ。 一人は薄手の白い長袖シャツに紺のアンクルパンツという服装で、清潔感を漂わせている。 一人はスーツを着ていてシルバーフレームの眼鏡が知的な印象を与える。 一人は白のカットソーの上に黒の七分袖カーディガンを羽織ったラフな服装なのだが、爽やかな印象を与えられた。 “うーん、でもこの人達じゃないよね?” 将太は時間を確認すると噴水とは対面の木陰に立ち、6人の動きを見守る事にした。
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