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就業時間をとうに過ぎた営業部のフロアは、パソコンを打つ音が響くだけで雑談をする声は聞こえない。
皆黙々と自分がするべき仕事を行っている。
部の一角にある資材課には透だけが残っていた。
問い合わせのあった部材の納期と単価を客先にメールし終えると、透はほっと一息つく。
本当は残業するほど急ぐ必要の無い仕事ばかりだった。
それでもこんな時間まで会社に残っているのは、一人きりの時間をなるべく減らしたいからに他ならない。
あの日以来、翼から連絡は途絶えていた。
それを当然と思いつつ、心が空洞になったような寂しさはどうにも出来ず、こうして何かに集中する事で紛らわそうとしていた。
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