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─あと3日。
この待つだけの苦しさから一刻も早く解放されたくて、早くその日が来ればいいのにと思う反面、翼を失う事も恐れていた。
この先、これほど胸を焦がすような相手に出会えるとは思えない。
その場限りを楽しむ相手なら何人もいたし、それでいいと思っていた。
だがたった一人、彼だけが己の全身全霊をかけて、ずっと愛したいと思える存在になった。
─もう答えは出たか?
もし自分が翼に惹かれさえしなければ、この先も友達として繋がっていられたかもしれない。
だが心を動かされてしまった。
絶対に期待してはいけない相手に。
惹かれてはいけない相手に。
どんなに心が近づこうと二人を隔てる壁は高すぎて、互いの手を取れずにいる。
再びストレートに恋した馬鹿な自分。
壁を前に悩み苦しんでいる翼。
遣る瀬無い気持ちは溜め息となって零れていった。
─俺もお前も、
出会う相手を間違えたのかもしれないな。
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