1046人が本棚に入れています
本棚に追加
翼との距離が近いと分かって透は額に手を当てていた。
こんなにも近くに住んでいるとは思ってもみなかった。
それは翼も同様だったらしく、透の住んでいる所を聞いて『えっ!』と声をあげて黙ってしまった。
少しして『オレの……住んでる所は』と教えてくれたが、電話越しに動揺しているのが伝わってくるほどだった。
「どっかですれ違っていたかもな?」
『アハッ、有り得るね』
「…………」
『…………』
長い沈黙が訪れた。
透は目を瞑り深呼吸すると、覚悟を決めて声を発した。
「なら」『透さん。
オレね、元カノとやり直す事にしたから』
最初のコメントを投稿しよう!