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翼との距離が近いと分かって透は額に手を当てていた。 こんなにも近くに住んでいるとは思ってもみなかった。 それは翼も同様だったらしく、透の住んでいる所を聞いて『えっ!』と声をあげて黙ってしまった。 少しして『オレの……住んでる所は』と教えてくれたが、電話越しに動揺しているのが伝わってくるほどだった。 「どっかですれ違っていたかもな?」 『アハッ、有り得るね』 「…………」 『…………』 長い沈黙が訪れた。 透は目を瞑り深呼吸すると、覚悟を決めて声を発した。 「なら」『透さん。 オレね、元カノとやり直す事にしたから』
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